ワンちゃんにワクチン接種をすることで様々な病気を予防することができます。
そのため、ワクチン接種はワンちゃんの命を守るために欠かせない予防のひとつです。
今回はワクチン接種の中でも、年1 回接種することが義務付けられている狂犬病ワクチンについて詳しく解説していきたいと思います。なぜワクチン接種をすることが義務付けられているのかしっかりと学び、納得した上で愛犬に狂犬病ワクチンを打つようにしましょう。

狂犬病ワクチンはなぜ義務付けられているのか

ワンちゃんのワクチン接種には狂犬病ワクチンと混合ワクチンがあります。
混合ワクチンは飼い主さんの判断によって接種するかどうか決めることができるのに対し、狂犬病ワクチンは狂犬病予防法という法律で年に1回の接種が義務付けられています。
なぜ狂犬病ワクチンだけ接種することが義務付けられているのでしょうか。
それは、「狂犬病」という病気の恐ろしさにあります。狂犬病は感染してしまうと死に至る確率がほぼ100%という恐ろしい病気です。
狂犬病はワンちゃんだけでなく、人間にも感染する可能性があります。
人間もワンちゃんと同じく感染してしまうと、死に至る可能性が非常に高く危険です。
有効な治療法も未だにないため、人間の命を守るためにも狂犬病を予防する必要があるのです。

狂犬病の現状

日本では1957年から狂犬病の発生は認められていません。
しかし世界各国では狂犬病は広く流行しているため、いつ日本国内で狂犬病が発生してもおかしくない状況です。
日本国内で狂犬病が発生していないから大丈夫と他人ごとに思うのではなく、万が一の事態に備えて必ず狂犬病ワクチンを愛犬に摂取するようにしましょう。

狂犬病ワクチンを打つ時期

狂犬病予防法により、生後3ヶ月以降の全てのワンちゃんは年1回の狂犬病ワクチンの接種が義務づけられています。
ワンちゃんを飼い始めてから30日以内に犬を登録する義務があるため、それまでに最初の狂犬病ワクチンの接種を済ませておくようにしましょう。

狂犬病ワクチンの副作用

ワンちゃんにもよりますが、狂犬病ワクチンだけでなく、全てのワクチンに副作用の恐れがあります。
狂犬病ワクチンは比較的副作用の発生率が低いとされています。
しかし、万が一副作用が出た場合、しっかりと対処できるようにワクチン接種は午前中に行うようにしましょう。
狂犬病ワクチンの副作用には以下のようなものがあります。

・嘔吐

・下痢

・発熱

これらの症状は狂犬病ワクチン接種後6時間以内にほとんど現れます。またまれにアナフィラキシーショックと呼ばれる反応が現れることもあります。
アナフィラキシーショックはワクチン接種後30分以内に起こる可能性が高いため、ワクチン接種後は愛犬の様子を注意深く観察するようにしてください。
アナフィラキシーショックには以下のような反応が現れます。

・顔面の腫れ

・蕁麻疹

・呼吸困難

・痙攣

アナフィラキシーショック症状が出た場合、すぐに対処する必要があります。
放置していると最悪死に至る可能性もあるため非常に危険です。

狂犬病ワクチンが免除される場合

狂犬病予防法により年に1回の接種が義務付けられている狂犬病ワクチンですが、獣医師の判断によりワクチン接種が免除される場合もあります。
ワクチン接種が免除される場合は、過去に狂犬病予防接種を行ったことにより重い副作用が出たなど、ワンちゃんの命や健康に危険を及ぼす可能性が考えられる時のみです。
過去に予防接種を行ったことにより、重い副作用が出たことがある場合は、獣医師に相談しましょう。

ワクチン接種時に気をつけるべきこと

狂犬病ワクチンは副作用が出にくいと言われていますが、ワクチン接種当日にワンちゃんの体調が良くない場合は、無理にワクチン接種を行うことはやめましょう。
接種当日に嘔吐や下痢、食欲不振、元気がないなどいつもと違う症状がある場合は、副作用がでやすくなってしまう危険性があるため別の日にワクチン接種を行うようにしてください。
当日の健康状態について不安がある場合は、事前に獣医師に相談するようにしましょう。

恐ろしい狂犬病を予防しよう

これまで説明してきた通り狂犬病は発症すると、有効な治療法もないためほとんどの場合で死に至ってしまいます。
恐ろしい狂犬病ですがワクチン接種をしっかりと行うことにより予防することができます。
万が一の事態に備えて年に1回狂犬病予防接種を受けるようにしましょう。

福岡県福岡市東区の動物病院「わかみや動物医療センター」

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