コラム
検査結果は末長い健康のための第一歩
とある調査によると、数年前と比較すると健康診断を受けさせる飼い主さんが増えています。近年、シニアと言われる年齢のペットは健康診断で病気が見つかるケースが増えており、ワンちゃんは44%、ネコちゃんは47%とほぼ50%に近い数値となっており、平均寿命が14〜15歳と言われている中で、間違いなく健康診断は受けるべきものです。
人間と同じように、ペットも健康診断に引っかかることがあります。今回は、健康診断で引っかかった時に出てくる病気について解説します。
ポイントは血液検査
ペットに関する異常は、ほとんどが血液検査の数値によって判明します。日々の血液検査や様子の変化によって判断することができるため、こまめに様子観察をしておくことが重要です。
血液検査の結果から判断できる病気には、次のようなものがあります。
免疫介在性腸炎(IBD)
健康診断等で、血液検査に引っかかってしまったことや、頻繁に吐いたり下痢や軟便をしたりしたような症状を繰り返している場合には、IBDの可能性があります。
IBDはワンちゃんの胃腸炎の中の一つで、自己免疫による腸炎です。自分の免疫が腸に対して不適切に反応してしまうことで、通常の胃腸薬のみでは改善されないこともあります。
健康診断で引っかかってしまった場合には、エコー検査や消化管内視鏡によって検査を行うのが有効で、エコー検査であれば麻酔などを行わずに検査することもできるため、ワンちゃんへの負担を減らすことができます。
血液検査で引っかかった場合、特にIBDなどの疑いがある場合にはしっかり獣医師と相談して検査を実施しましょう。
慢性腎臓病・蛋白尿
腎臓は、血液を濾過して不要となった老廃物を尿として排出する役割をもつ、非常に重要な臓器です。年と共に機能は悪くなりがちですが、悪化してからはなかなか治ることがありません。そのため、早期発見・早期治療と日々の予防が重要です。
慢性腎臓病は、腎不全の総称です。「最近よく水を飲む」「尿が薄くなった」などがよくあるサインであり、症状がで始めた時点ではすでに腎臓の機能は半分以上が失われているとも言われています。
無症状でも、健康診断の血液検査や尿検査で腎臓の異常が発見されるケースが多いため、検査結果によってはすぐに医師と共に対処しましょう。
胆嚢粘膜嚢腫・胆石症
胆嚢は、何かとトラブルの多い臓器と言われており、病気によっては急変する可能性もあるところです。この病気はワンちゃんに多いものですが、無症状であれば見た目や仕草から判断することはできません。血液検査や肝臓の数値が高いと指摘を受けた場合はエコーやレントゲンを受けて確認するようにしましょう。
膀胱結石
膀胱の代表的疾患として知られているものです。尿の中にミネラルでできた硬い石が作られることで、血尿や頻尿、排尿痛などのトラブルを引き起こします。最悪の場合は尿閉塞になり、命に関わることもあります。
膀胱結石の原因等を知るためには、尿検査とエコー検査が有効です。原因によって処置方法が違うため、それによって変わります。膀胱炎が思いがけない病気が見つかることもあるため、健康診断では尿検査を受けて、常に理解しておくようにしましょう。
定期的に健康診断を受けましょう!
ワンちゃんネコちゃんの病気は、思わぬことから命に関わる病気になってしまうことがあります。ですが、血液検査や尿検査など健康診断を受けることで把握できることばかりですので、できるだけ毎年受けるようにすることで、ペットの健康を守るよう心がけましょう。
当院では、ワンちゃんネコちゃんに合わせた健康診断を行っています。まずは、お気軽にご相談ください。最適な健康診断をご提案させていただきます。
当院について
当院では、経験豊富な獣医師が飼い主様の不安を拭えるよう、丁寧なサポートを心がけています。
どんな些細なことでも構いませんので、気軽にご相談ください。大切なご家族の健康をおまかせいただけるよう、全力を尽くします。
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