わかみや動物医療センター

コラム

予防の時代へ!健康診断は毎年受けよう

一般的に、動物は人間の4倍の速度で年を重ねると言われています。つまり、その分「衰え」や思わぬ病気に罹ってしまう可能性も高いということです。

近年、人間同様に「予防」を重視されつつある動物医療ですが、なかなか定期的な健康診断を受けられていない人がいるのが現状です。

今回は、そんな方にこそ受けていただきたい「ペットの健康診断」について解説します。

なぜ健康診断が必要なのか

動物たちは、本能的に痛みや不調を隠す傾向にあります。また、私たち人間と違って自分の違和感や不調を訴える手段がなかなかありません。そのため、何かしらの病気を発見したときにはすでに進行しており、重症化していることも少なくないのです。

なお、病気にかかりやすい傾向などがわからないこともあるため、定期的に検査を受けることが何よりも重要です。

健康診断を受けるメリット

健康診断を受ける一番のメリットは、病気の早期発見・治療、予防につながることです。また、上記でもお伝えした通り、定期的に健康診断を受けることでペットの正常な状況把握になるため、メリットしかないと言って良いでしょう。

健康診断のタイミング

健康診断を受けるタイミングは、基本的に”ペットを迎え入れたとき”と”年に一度”が理想です。ブリーダーやペットショップから購入した場合には、すでに健康診断を受けている可能性があるため、証明書を確認するようにしましょう。

また、ワンちゃんや猫ちゃんを招いてからは、満1歳を目安として定期健診を受けるようにすると良いでしょう。

例えば、ペットの誕生月に受けるようにするなど、覚えておくと安心です。

健康診断の内容

健康診断の内容は、一般的に次のような内容で行われます。

①体重測定

体重の増減は、病気や関節の痛みなどの原因になります。成長中であれば喜ばしいことですが、大人になると話は別です。ある程度のラインで保つようにして、急激な増減等がないかを知っておく必要があります。

なお、3キロあったワンちゃんが2.5キロになっていた場合、私たちで言うところの50キロの人が40キロくらいまで減少していたのと同じことです。日々の食事が変わらないのにそこまで減少しているのであれば、何かしら体調に変化があると言えるでしょう。

ですが、毎日見ている飼い主さんやご家族は気付かないケースが多々ありますので、意識しておく必要があります。

②視診・聴診・触診

健康診断では、私たちと同様に獣医師が「見て、触れて、聞いて」異変がないかを確認します。どれも病気や異変の早期発見、治療につながるケースがあるため、とても重要な検査です。

ワンちゃんやネコちゃんによっては、なかなか触らせてもらえないこともありますが、飼い主さんにもご協力いただき、これらの検査を丁寧に行います。

③尿検査

尿は、腎臓が作っているものであるため腎臓のことがわかりますが、それ以外にも全身のことが現れやすいものです。採尿は検査の中でも一番難しい問題なので、どうしても飼い主さんによる採尿が難しい場合にはエコーを活用して膀胱に針を刺して採尿することもあります。

④レントゲン検査

レントゲン検査は、骨の様子などをチェックするものです。ただし、健康診断では胸部や腹部を撮影することで、尿路結石などを見つけるケースも少なくありません。

レントゲン検査をすることで思いがけない病気を見つけることもありますので、定期的に受けておくことをオススメしています。

年に一度のことだから

人間同様、ペットの定期健診も年に一度のことですので、しっかりと受けておくようにしましょう。

冒頭でも解説しましたが、健康診断を毎年受けておくことでデータが蓄積され、病気や異変に気付きやすくなります。ペットは異変や痛みなどを訴えられず、本能的に隠してしまうものです。

私たちが積極的にサポートして見つけてあげることで、末永い健康をサポートしていきましょう。詳しい健康診断の内容やご相談は、お気軽にお問合せください。

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