可愛い愛猫にいつまでも元気でいてもらうためには、猫の健康状態を常に把握することが大切です。
そのために、排泄物を注意深く観察することが効果的です。猫のうんちや尿を観察することで、愛猫の健康状態を把握することができます。
今回は配線ブツブツからわかる猫ちゃんの病気についてお話ししていきます。

排泄物の観察項目

健康な猫のうんちは、形が整っていて、やや柔らかめの茶色または黄色い色をしています。
匂いはある程度強いですが、異臭がある場合は問題がある可能性があります。
また、血液や粘液の混じったうんちや、異常な色合いや形状のものも異常のサインとなる可能性があります。
日頃から愛猫のうんちの回数、形、硬さ、匂い、色を観察するようにしましょう。
猫の日常的な排泄物の様子を観察し、異常があればすぐに獣医師に相談することが大切です。

排泄物からわかる病気

トイレの回数が多い場合

膀胱炎： 膀胱は腎臓で作られた尿を貯め、一定量貯まると排出する役割を持ちます。
正常時は、尿の量に応じて伸縮して大きさを変えることができます。しかし、さまざまな原因で膀胱に炎症が起こることがあり、それが膀胱炎と呼ばれる病気です。
膀胱炎になると、膀胱が十分に伸びずに尿を貯める際に刺激が発生し、頻尿などの症状が現れます。
特に、猫には膀胱炎になる傾向があります。したがって、症状や兆候を理解し、早期に気づいて対処することが重要です。

尿石症：尿石症は、腎臓から尿管、膀胱、尿道の中に結晶や結石ができる病気で、尿道に詰まったり、膀胱や尿道を傷つけたりすることがあります。

トイレの回数が少ない場合

急性腎臓病：急性腎障害とは、数時間から数日で急激に腎臓の機能が低下する病気です。
腎臓に流れ込む血液が減少したり、感染症や中毒で腎臓の組織がダメージを受けたり、尿管結石によっておしっこが出なくなったりすることが原因です。
また、猫が誤ってエチレングリコールやユリ科の植物などを摂取することも、急性腎障害を引き起こすことがあります。

便秘：猫の便秘は、排便回数が減少し、排便が困難になって腸内に便が長時間とどまる状態を指します。
猫の排便リズムは1日1〜2回、2日に1回など、個体差があります。
飼い主さんが愛猫のトイレ滞在時間や排便パターンを把握しておくことで、便秘の早期発見につながります。

巨大結腸症：猫の巨大結腸症は、長期間にわたる便秘によって結腸が拡大してしまう状態を指します。
結腸の拡大により、便秘が悪化することがあります。巨大結腸症の症状には、便秘、食欲不振、嘔吐、腹痛が見られます。
また、便秘と同時に下痢や血便が生じることもあるため、便に異常が見られた場合は動物病院へ連れて行きましょう。

下痢をする場合

下痢は、便の水分量が多くなり、腸内での便の通りが早くなる状態です。
腸が水分を吸収できない、水分を余計に分泌する、腸に炎症がある、腸の動きが速いことが原因と考えられます。
身体の状態や食事の変化、過食などが下痢を引き起こすこともあります。
軽度の下痢であれば、自然治癒する場合がありますが、急激な激しい下痢、出血、腹痛、嘔吐など、他の症状がある場合は、早めに獣医師の診察を受ける必要があります。

血便が見られる場合

血便が見られる場合、いくつかの病気が考えられます。

感染症：細菌、ウイルス、寄生虫などによるものがあります。
中でも、回虫や条虫（じょうちゅう/サナダムシ）などの消化管寄生虫によるものが比較的多いです。
これらは、虫が肛門から出ることもありますが、駆虫薬で治療することができます。
猫コロナウイルスによる猫伝染性腹膜炎：若齢の猫に発症し、ほぼ100％致死的な病気です。現在は治療法が確立されていないため、重大な病気とされています。
免疫介在性疾患：高齢の猫に多い疾患で、消化管のリンパ腫や炎症性腸疾患などがあります。治療期間が長く、予後が悪いこともあります。

誤食や食中毒：異物を誤食したり、食中毒を引き起こす食べ物を食べたりすることも血便の原因になります。

日頃から愛猫の様子を観察しよう

今回は排泄物からわかる猫ちゃんの病気についてお話ししてきました。
飼い主さんが日頃から排泄物を観察することで、早期に猫ちゃんの病気を発見できるかもしれません。
日頃から排泄物に異常がないか注意深く観察しましょう。

福岡県福岡市東区の動物病院「わかみや動物医療センター」

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